交通事故が刑事裁判に!情状酌量はされるの?

交通事故が刑事裁判に!情状酌量はされるの?

2023年7月17日 オフ 投稿者: 田中

人身事故の加害者となってしまった場合、事故の内容によっては刑事裁判になります。
その場合交通事故の加害者は、被害者に怪我を負わせた事故の犯人として扱われます。
一方物損事故で被害を受けた被害者が、加害者を犯人と呼ぶこともありますが、人身事故の加害者とは意味が異なります。
物損事故はほとんどの場合、刑事事件に発展することはありません。
ここから先は、刑事事件に発展するのはどんな事故か、情状酌量はしてもらえるのか、お伝えしたいと思います。
 

重大な事故を起こした場合は刑事裁判に

さて人身事故の話に戻します。人身事故を起こしてしまった加害者は、被害者に与えた損害に対して、民事上の賠償責任を負います。また、免許の取り消しなどの行政処分も受けます。
加えて刑事責任も負いますが、一体どのような罪に問われるのでしょうか。簡単にみてみましょう。

業務上過失致死傷害罪

交通事故を起こし、加害者が被害者を死傷させてしまった時に問われる罪です。業務上過失致傷罪という言葉は、交通事故のニュースなどでもよく聞く言葉だと思います。

過失運転致死傷罪

運転に必要な注意を怠ったために起きた事故で、被害者を死傷させた時には過失運転致死傷罪に問われます。こちらもよく聞く言葉ですね。

危険運転致死傷罪

アルコールを飲んで運転している場合や、薬物を使用した上で運転するなど、危険な運転を行い、被害者を死傷させた時に問われるものです。

不幸なことに被害者が亡くなってしまった場合など、悪質とみなされる事故の場合は、加害者は殺人犯と同様に、逮捕や起訴されます。

被害者の怪我が比較的軽い交通事故の場合には、在宅捜査になることも少なくありません。在宅捜査になった場合でも、加害者の責任が重いと見なされる場合には、あらためて事情聴取や裁判に呼び出されることもありえます。

示談交渉が成立すれば、情状酌量されるの?

交通事故の裁判では、被告人である加害者はすでに罪を認めているケースがほとんどです。
罪を認めている場合に法廷で争われるのは、刑を重くするか、軽くするか、ということで、罰金か懲役刑か、さらには実刑か執行猶予かといった判決で下される、刑罰の重さを決める裁判となります。
なおどんな刑罰を下すかについて、被害者の意思が考慮されることはほとんどありません。

情状酌量を得るには、示談成立がポイント

加害者はほとんどの場合、軽い刑罰を望みます。そのため法廷では、被告人はいかに普段良い人かという事を証言してもらいます。
この証言をしてくれる人を「情状証人」と呼びます。
被告人は上申書を裁判長に提出するのですが、この上申書には自分がどれだけ反省しているのかを書いてあります。
刑事裁判での減刑の要件として、被害者との和解が出来ているかは、重要なポイントになります。
なぜなら被害者と示談が成立しているということは、和解の手続が済んでおり、被害者はすでに加害者に対して処罰意識を強く持っていないという証明になるからです。
示談が成立している場合、減刑される可能性が高くなるので、裁判に持ち込まれる事故においては、加害者は示談成立を急ぎます。

最後に

少々脱線ですが、被害者側が渋々示談に応じて内心モヤモヤしていても、その点は考慮してもらえません。
もし被害者側であれば、示談に応じたくない場合、応じないことも選択の1つです。ここは慎重に判断することを、お勧めします。
今回はここまで。お読みいただき、ありがとうございました。