交通事故実例④ 高齢者の交通事故 危険は身近な場所に…
つい先日、近所で事故がおきました。飛び出した猫を避けようとした高齢者の運転する乗用車が、反対車線に飛び出してしまい神社の壁にぶつかってしまったのです。
幸い命は無事でしたが、あちこち骨折してしまい、しばらくは入院生活をすることになったと聞いています。
この機会に高齢者の事故と身近に潜む危険について考えてみました。
高齢化の進展
日本では,急速に高齢化が進んでいます。日本の人口のうち、65歳以上の人口は約4人に1人というデータもあります。
今後の高齢化率は、人口は減少するものの高齢者人口が増加することにより引き続き上昇し、2036年には33.3%と3人に1人となりると予想されます。
高齢者が増えればその分高齢者が事故に巻き込まれる可能性も、大きくなると言えるでしょう。
年齢とともに変化する身体
年齢が進むにつれて、動体視力の低下や複数の情報を同時に処理することが苦手になる人がいます。
判断力の低下
瞬時に判断する力が低下したりするなど、身体機能にも変化がみられるので、「以前ならできたこと」ができなくなってしまい、ハンドルやブレーキ操作に遅れが出ることがあるなどの特性も無視できません。
認知機能の低下
最近では、加齢に伴う認知機能の低下も懸念されています。ニュースで時々見かけますが、認知症の高齢者が運転する自動車が、道路を逆走してしまうといった事故も増えているように感じます。
住み慣れた場所、通り慣れた道であったとしても、瞬時の判断が難しくなります。 物陰から人や動物が出てきた場合、気がつくのに時間がかかってしまうのです。
単独事故が多い高齢者の事故
高齢のドライバーによる交通死亡事故について調べた時、特に75歳以上の運転者による事故は車両単独事故の割合が多いと言われています。
- ハンドル操作を間違えた
- 前をきちんと見ていなかった
- 集中力が切れ漫然と運転してしまった
先ほども少しお話ししましたが、年齢を重ねるにつれて視力等が弱まった結果、周囲の状況に関する情報を得にくくなってしまいます。
「どうして気がつかないんだろう」と思うかもしれませんが、気づくことに遅れることとに加え、判断にも適切さを欠く可能性が高くなります。そのためとっさの対応が遅れてしまうのです。
周囲に気を配り、交通環境を客観的に把握することも、以前ほどはできなくなり、道路上を進行している時に運転を誤ってしまい、車線を逸脱した結果、壁や家などに衝突してしまい、結果的に亡くなってしまうケースが少なくありません。
終わりに
高齢者の事故と、身近に潜む危険について考えてみました。特別に危ない行動をしているつもりはなくても、年齢とともに気がつくのが遅れてしまったり、集中して運転することが難しくなっていることがわかります。
誰もが年齢を重ねていきますが、地域によっては「車がなければ生活できない」という地域もあります。何歳まで車に乗るか、車を運転する際に十分な認知機能があるか、また車以外の移動方法があるか、一人一人がよく考えたいものですね。本日もお読みいただき、ありがとうございました。