刑事告訴と検察官の仕事

刑事告訴と検察官の仕事

2022年7月10日 オフ 投稿者: 田中

前回に続いて、交通事故と刑事告訴のお話です。
今回は特に、検察庁や検察官がどんな役割を果たすか、お話したいと思います。ぜひ最後までご覧ください。

検察庁・検察官の仕事

交通事故に関して一時的な捜査を行うのは警察ですが、「加害者を起訴するか、不起訴にするか」を決めるのは、検察庁の仕事になります。

ざっくり言ってしまうと、警察の作った調書をもとに「この交通事故に関して、加害者にはどんな罪がふさわしいのか」を決めるところです。

判決を下すのは裁判所ですが、間違いがあっては許されません。

検察庁は土日も稼働

検察庁は土日祝日は、来庁者に対する対応をしませんが、内部は土日もフル稼働している、ハードなお役所です。私の友人が交通事故に遭った時に経験したことですが、日曜日の午前中に検察庁を名乗る電話がかかってきたそうです。友人は「まさか日曜日に役所から電話が来るわけなんかない」と考え、変な電話が来たと弁護士に連絡したそうです。弁護士が確認したところ、本物の検察官からの電話だったそうです。

被害者がすること

検察官の仕事は、警察から引き継いだ捜査資料を基にさらに調べ、「加害者はこんな悪いことをしました。よってこのような刑罰を与えてください」と、裁判所に訴えることです。

一方、被害者にもすることがあります。

①聞かれたことに正直に話す

②必要な資料はすぐに提出

③返信、連絡事項はできるだけ早く

自分の納得がいく結果を得るためにも、この3点は必ず必要になります。

弁護士に依頼している場合であれば、弁護士からの問い合わせにも迅速に対応していく必要があります。先にお話しした私の友人に言わせれば、被害者側もやることが色々とあり、忙しいということでした。

被害者等通知制度

以前は「被害者は蚊帳の外じゃないか」という批判がありましたが、今はそうではなくなりました。これはうれしい変化です。

検察庁では、処分の結果や裁判の結果など、折に触れて被害者や親族に通知する「被害者等通知制度」制度を設けています。

もちろん「思い出すのもつらいので通知しないでほしい」という場合には、通知しないようにすることも可能です。このあたりは、その人それぞれの判断になるのではないかと思います。

今回は交通事故と関連して、検察庁や検察官の仕事にも目を向けてみました。友人の遭った交通事故が、まさかの刑事事件に発展したため、今まで知らなかった話を色々と教えてもらったのですが、交通事故なんて遭わないのが一番だと思っています。