交通事故を行政書士に依頼するメリット
交通事故に遭った際に相談する先としては弁護士や司法書士、行政書士など様々な士業が候補として思い浮かびます。しかし、どういった場合にどの士業に頼むのが良いのかという判断を行うのは中々難しいものがあるように思います。
そこで、本日は行政書士に交通事故の処理について依頼するメリットを他の資格と比較してご解説したいと思います。
行政書士に依頼した場合の特徴
メリットを説明する前に行政書士は業務範囲に限りがあるため、まずはその点についてご解説いたします。
行政書士の業務範囲は行政書士法などで定められており、一般的に交通事故における受任可能な業務は、
・自賠責保険における被害者請求の際の書類作成
・自費で治療を行う際の健康保険手続き
・後遺障害等級の認定の異議手続き
・示談書の作成
などが受任可能とされています(ケースバイケースの部分もあるため、受任前に相談の上で受任する場合もあります。)。
したがって、交通事故の全ての問題を行政書士に頼めば解決とは行きませんので、その点についてはあらかじめお断り申し上げておきます。
弁護士に依頼する場合の特徴
交通事故について弁護士に依頼しようというのは、誰もが最初に思いつく選択肢ではないでしょうか。
弁護士は弁護士法によって業務範囲が定められていますが、基本的には法律業務の全てが受任可能になっています。そのため、交通事故における保険会社との交渉から、交渉が上手くいかなかった場合における裁判の代理人まで全ての業務が受任可能となっています。
したがって、弁護士に頼むことは、交通事故における問題をほぼそのまま丸投げできるという特徴があります。
司法書士に依頼する場合の特徴
では、司法書士に依頼する場合はどのような特徴があるでしょうか。司法書士が交通事故について受任できる根拠は簡易裁判所における代理人を司法書士が受任可能なことが根拠となっています。
簡易裁判所というのは簡単にいうと140万円以下の請求額の裁判などを専門的に行う裁判所のことです。
したがって、司法書士が受任可能なのは裁判になった場合に140万円以下の請求額となる事件のみになります。また、こうした業務を受任できるのは司法書士のうちでも認定司法書士と呼ばれる人のみになります。
行政書士に依頼するメリット
では、このような資格業と比較して、行政書士に依頼するのはどのようなメリットがあるでしょうか?
費用が抑えられる
当然といえば当然ですが、業務範囲の限定される行政書士の場合、何でもできる弁護士や司法書士と違い、そもそもの仕事量が違います。そのため、他の士業と比較して低料金で受任が可能です。
特定分野に特化している
弁護士であれば、交通事故なら誰に相談しても同じだろうと思っている方は意外と多いかもしれませんが、弁護士にも専門分野があり得意な分野と不得意な分野があります。
交通事故を専門に扱っている先生もいれば、全くやったこと無い人もいるわけです。
他方で、行政書士で交通事故を受任する人は、上記の業務分野に特化している人が多いといえます。非常にニッチな分野に特化している分、専門性はそれなりに高いと言えるでしょう。
依頼者の声を多く聞ける
これも他の資格との比較になりますが、やはり交通事故について全てを業務は陰萎とできる弁護士や司法書士の方は圧倒的に業務量が多く、保険会社との交渉がメインとなり、依頼者の方の声に多く耳を傾ける時間を取ることは非常に難しい部分があるようです。
限られた業務範囲となる行政書士はその分依頼者の方の声に耳を傾けることができます。
こうした点も行政書士に依頼する上でのメリットと言えるでしょう。