高額になるのはどんな場合?損害賠償額についてご紹介

高額になるのはどんな場合?損害賠償額についてご紹介

2021年8月15日 オフ 投稿者: 田中

交通事故では被害者は加害者に対して、交通事故による生命や身体への侵害を理由に不法行為に基づく損害賠償請求権を有することになります。こうした損害賠償は被害者が受けた被害に応じて損害額が高額になったり、少額になったり変化します。
そんな損害賠償についてはどんな場合に高額になるのか?今までの最高額はどのくらいなのかについて気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今日は過去の事例などをご紹介しつつ損害賠償が高額になるケースなどについて解説します。

交通事故における損害賠償の最高額

交通事故に関する裁判例は複数ありますが、その中で交通事故における損害賠償額の最高額といわれているのが、平成23年11月1日の横浜地裁ででた判決が最高額といわれています。
この事件では、なんと5億843万円もの金額の損害賠償を認める判決が出ています。この事例では被害者は開業医で年収5000万円を超えていたところ、このような被害者をはねて死亡させてしまったという事例でした。被害者が酔っ払って車道にいたところをはねて死亡させてしまったというケースで被害者側にも過失が認められる事例でしたが、加害者側の過失も認められたことや、被害者が41歳と若かったこともあって、死亡による逸失利益の額は何と4億7850万円もの金額になり、そのほかの慰謝料なども相まって非常に高額の賠償金となってしまいました。

その他の高額になる事例


その他の高額な賠償額となった事例はどのような事例があるのでしょうか。高額な賠償金が認められた事例として名古屋地裁平成23年2月18日の判決があります。この事例では大学生の被害者に重大な後遺症が残ってしまったという事例でなんと3億7829万円もの賠償額が認められています。
大学生のため、事故時点では収入がないのですが、こうした交通事故の損害賠償額の算定にあたっては、その被害者が交通事故がなければ得られたであろう利益(逸失利益といいます。)が考慮とされます。そのため、大学生であってもその後卒業し就職した場合に得られたであろう収入が賠償額となって計算されることになるのです。

高額になりやすい事例

以上のような事例を踏まえると、損害賠償額が高額になりやすい事例としては以下のような事例になると考えられます。
・被害者の年収が高い場合
・被害者の年齢が若い場合
・死亡した場合
・重篤な後遺症が残ってしまった場合
以上のような事情がある場合には損害賠償額が高額になりやすい傾向にあるといえます。
このような場合には専門家にすぐに相談し対応を行うことが強く勧められます。