交通事故で骨折したときの慰謝料の相場はいくら?後遺障害についても解説

交通事故で骨折したときの慰謝料の相場はいくら?後遺障害についても解説

2021年3月10日 オフ 投稿者: edt

今回は交通事故で骨折したときの慰謝料の相場について解説します。

交通事故で骨折した際、慰謝料を請求する根拠の一つとなる後遺障害が認定されるケースについても触れていきます。

【事例】骨折で3ヶ月骨折した場合の慰謝料

実際に交通事故で骨折をして3ヶ月間入通院した場合、どのくらいの慰謝料を請求できるのでしょうか。
弁護士基準、任意保険基準、自賠責基準ごとに具体的に見ていきましょう。

弁護士基準による慰謝料の金額

「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(通称:赤い本)」という書籍に弁護士基準の慰謝料相場が掲載されています。下記の表が交通事故で骨折した場合の弁護士基準による慰謝料相場です。弁護士基準による慰謝料の金額は、下記の表をもとに計算していきます。

弁護士基準の慰謝料相場(単位:万円)

単位(万円) 入院 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月
通院 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306
1ヶ月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311
2ヶ月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315
3ヶ月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319
4ヶ月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 326 323
5ヶ月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325
6ヶ月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327
7ヶ月 124 157 188 217 244 266 286 301 316 324 329
8ヶ月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331
9ヶ月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333
10ヶ月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335

上記の表によると、交通事故で骨折して3ヶ月間通院した場合の弁護士基準の慰謝料金額は73万円となっています。また、交通事故で重度の骨折を負い、治療のために3ヶ月間の入院を余儀なくされた場合、145万円の慰謝料を請求することが可能です。

任意保険基準による慰謝料の金額

任意保険基準による慰謝料の金額は、各保険会社がそれぞれ独自で定めていて正式に公開されているわけではありません。ですが、示談交渉の際に加害者側の保険会社が提示してくる慰謝料の金額が、任意保険基準で算出されたものであるため、そこからある程度の相場は把握できます。

下記の表が、任意保険基準による慰謝料の金額の相場です。任意保険基準による慰謝料の金額を計算する場合、下記の表を使用して行ないます。

任意保険基準の慰謝料相場(単位:万円)

入院 1か月 2か月 3か月 4か月 5か月 6か月 7か月 8か月 9か月 10か月
通院 25.2 50.4 75.6 95.8 113.4 113.4 128.6 141.2 152.4 162.6
1か月 12.6 37.8 63 85.6 104.7 120.9 134.9 147.4 157.6 167.6 173.9
2か月 25.2 50.4 73 94.6 112.2 127.2 141.2 152.5 162.6 171.4 176.4
3か月 37.8 60.4 82 102 118.5 133.5 146.3 157.6 166.4 173.9 178.9
4か月 47.8 69.4 89.4 108.4 124.8 138.6 151.3 161.3 168.9 176.4 181.4
5か月 56.8 76.8 95.8 114.6 129.9 143.6 155.1 163.8 171.4 178.9 183.9
6か月 64.2 83.2 102 119.8 134.9 147.4 157.6 166.3 173.9 181.4 185.4
7か月 70.6 89.4 107.2 124.3 136.7 149.9 160.1 168.8 176.4 183.9 188.9
8か月 76.8 94.6 112.2 128.6 141.2 152.4 162.6 171.3 178.9 186.4 191.4
9か月 82 99.6 116 131.1 143.7 154.9 165.1 173.8 181.4 188.9 193.9
10か月 87 103.4 118.5 133.6 146.2 157.4 167.6 176.3 183.9 191.4 196.4

上記の表によると、交通事故で骨折して3ヶ月間通院した場合の任意保険基準の慰謝料金額は37万8000円になります。一方、3ヶ月間入院した場合に請求できる慰謝料金額は、75万6000円です。任意保険基準の慰謝料の算出額は、弁護士基準の慰謝料の算出額の約半分となります。

自賠責基準による慰謝料の金額

自賠責基準による慰謝料の金額は、「4300×(初診から治療までの日数または実際に入通院した日数の2倍の数)」で計算します。1ヶ月を30日と考えて3ヶ月を90日とすると、「4300×90」の式で慰謝料の金額を計算していくことになります。その結果、交通事故で骨折して治療のために3ヶ月間の入通院を余儀なくされた場合、請求できる慰謝料の金額は38万7000円となります。

骨折で後遺障害と認められるケースとそのときの慰謝料

交通事故による骨折で後遺症が残った場合、症状によっては後遺障害と認められる場合があります。もし、後遺障害と認定された場合、交通事故の被害者は加害者に対して後遺障害慰謝料を請求することが可能です。

そこで、交通事故で骨折した際、後遺障害と認められるケースおよびその際に請求できる後遺障害慰謝料の金額について見ていきます。

神経障害、骨の変形、機能障害などが後遺障害等級認定の対象

交通事故での骨折により、神経を損傷してしまった場合、後遺障害等級認定の対象となります。具体的には、骨折箇所にしびれが残ってしまうケースです。上記の場合、12級または14級の後遺障害等級認定がなされる可能性があります。

交通事故で負った骨折を治療しても、骨の接合がうまくいかなかったり、偽関節が生じたりして、骨が変形してしまった場合も対象となります。比較的軽度の骨の変形であれば12級の認定が考えられますが、重度の場合は7級が認定される可能性もあります。

また、交通事故での骨折により、関節部分の損傷がひどく、自由に動かせなくなったときも後遺障害等級認定の対象です。負傷した関節部分の機能障害が重いほど、認定される等級も高くなります。症状によっては、一番上の等級である1級が認定される場合もあります。

骨折で請求できる後遺障害慰謝料の相場

骨折が後遺障害と認められた場合に請求できる後遺障害慰謝料の相場は、下記の表のとおりです。

後遺障害慰謝料の相場

等級 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準(裁判基準)
第1級 1,100万円 1,600万円 2,800万円
第2級 958万円 1,300万円 2,370万円
第3級 829万円 1,100万円 1,990万円
第4級 712万円 900万円 1,670万円
第5級 599万円 750万円 1,400万円
第6級 498万円 600万円 1,180万円
第7級 409万円 500万円 1,000万円
第8級 324万円 400万円 830万円
第9級 245万円 300万円 690万円
第10級 187万円 200万円 550万円
第11級 135万円 150万円 420万円
第12級 93万円 100万円 290万円
第13級 57万円 60万円 180万円
第14級 32万円 40万円 110万円

交通事故での骨折により、神経障害が残ってしまい、14級の後遺障害等級が認定されたとします。この場合、上記の表によると、弁護士基準での慰謝料相場は110万円になります。一方、任意保険基準の場合は40万円、自賠責基準の場合は32万円と、弁護士基準の慰謝料相場の半額以下です。

どの等級の後遺障害慰謝料の相場を見てみても、弁護士基準の後遺障害慰謝料の相場は、任意保険基準または自賠責基準の相場よりも大きく上回っています。

適切な慰謝料相場を知ろう

今回は交通事故で骨折した際の慰謝料の相場について紹介しました。

適切な慰謝料相場を知ることが慰謝料請求の第一歩となるでしょう。