交通事故に遭って骨折してから慰謝料をもらうための流れを解説

交通事故に遭って骨折してから慰謝料をもらうための流れを解説

2021年2月13日 オフ 投稿者: edt

交通事故に遭ったとき、骨折してしまう被害者も少なくありません。事故の程度によっては、後遺症が残るほどの重度な骨折をしてしまうケースもあります。もし、自分が交通事故に遭って骨折した場合、加害者に対してどのくらい慰謝料を請求できるのか気になるところです。

今回は、交通事故に遭って骨折してから慰謝料をもらうための流れについて解説していきます。

 

骨折の症状の例と適切な慰謝料をもらうための流れについて

交通事故で骨折した際、加害者側に慰謝料の支払いを求める場合、適切な金額を請求するための方法を把握しておく必要があります。また、その際、交通事故で負った骨折の症状についても理解しておかなければなりません。

そこで、まず交通事故で負いやすい骨折の症状の例および適切な慰謝料をもらうための流れについて、具体的に見ていきましょう。

 

交通事故による骨折の症状の例

被害者が交通事故に遭ったとき、長管骨の骨折が比較的多く見られます。長管骨とは、手や足を形成する細長い形状の骨のことで、上腕骨、鎖骨、尺骨などこれにあたります。また、交通事故の衝撃で脊推に損傷を負ってしまうケースも少なくありません。

 

上腕骨骨折

上腕骨とは、肩から肘までをつなぐ棒状の骨のことをいいます。交通事故で上腕骨を骨折してしまうと、症状によっては治療後も骨がゆがんだ状態のままになってしまうケースもめずらしくありません。また、長期間骨がくっつかなくなる偽関節の状態になり、運動障害が生じることもあります。その他、肩や肘に近い部分の上腕骨を骨折したとき、肩や肘の機能に障害が残ってしまうこともあります。

 

鎖骨骨折

鎖骨とは、胸、肩、腕をつなぎとめる役割を果たす骨のことをいいます。横断歩道を歩いていたり、自転車を運転したりしたときに交通事故に遭って、肩の部分を強打した際、鎖骨を骨折してしまうケースが多いです。

交通事故では、骨幹部と遠位端の部分の鎖骨を骨折してしまうのが通常です。骨幹部とは鎖骨の真ん中にあたる部分を指し、遠位端とは肩に近い部分の骨を指します。骨幹部の鎖骨骨折をした場合、骨がゆがんだまま固まってしまい、体上にもその状態が残ってしまうことがあります。また、遠位端部分の鎖骨骨折をすると、肩の機能に障害が残って、うまく動かせなくなったり、神経障害が出たりするケースも少なくありません。

 

尺骨骨折

尺骨とは、肘と手首をつなぐ2本の骨のうち、小指側にある骨のことをいいます。交通事故で接触して転倒する際、手をついたときの衝撃で尺骨を骨折してしまうケースがよく見られます。尺骨の中心部分の骨幹部を骨折すると、変形したまま骨が固まってしまったり、偽関節が残ったりしてしまうこともめずらしくありません。また、手首や肘の部分に近い遠位端部分の尺骨を骨折すると、手首や肘に運動機能に支障が出てしまうことがあります。

 

脊推骨折

脊推とは、背骨を構成する1つ1つの骨のことをいいます。交通事故で脊推を骨折する際、一番多くみられるのが圧迫骨折です。圧迫骨折とは、圧力による衝撃で脊推の骨がつぶされてしまう骨折のことです。

交通事故による脊推の圧迫骨折によって、機能障害や運動障害が生じるケースもめずらしくありません。
また、脊推の圧迫骨折の影響が脊髄まで達して、神経部分を損傷してしまうこともあります。そのような場合、しびれや麻痺などの神経障害が生じてしまいます。

 

適切な慰謝料をもらうには治療のための通院の仕方が重要

交通事故で骨折した際、被害者が加害者から適切な慰謝料をもらうためには、そのための行動をとらなければなりません。具体的には、骨折の治療を受けるための通院の仕方が、適切な慰謝料をもらうためのポイントとなります。

 

交通事故で骨折した後、すぐに通院して診断を受ける

交通事故で被害者が骨折した場合、事故の状況によって負傷の程度も異なります。事故の被害が比較的小さく、骨折しているにもかかわらず、軽い打撲だと考えて病院で診察を受けない被害者も少なくありません。ですが、骨折しているか否かに関係なく、交通事故で負傷した場合、すぐに通院して診断を受けることが大切です。交通事故後、一定期間を経過した後に病院に診察を受けた場合、その負傷が交通事故によるものか否かがわからなくなってしまうケースもあるからです。

交通事故で骨折した場合に請求できる慰謝料の金額の算出は、入通院期間をもとに行ないます。そのため、加害者に対して請求する慰謝料が、正確な入通院期間をもとに算出された金額であることを主張できるようにしなければなりません。したがって、適切な慰謝料を請求するため、交通事故で骨折した場合、すぐに通院して診断を受ける必要があるのです。

 

骨折が完治するか症状固定になるまで通院する

通院して骨折の治療を続けていると、負傷部分の痛みが和らいできて、もう病院へ行く必要はないと判断してしまう人も少なくありません。ですが、自分の判断で治療のための通院を辞めてはいけません。骨折が完治するか症状固定の状態になるまで、通院して治療を続けることが大切です。自分の判断で治療のための通院を辞めてしまうと、その分請求できる慰謝料の金額も少なくなってしまいます。また、骨折した部位が完全に治っていなくて後遺症が残ってしまう可能性もあるのです。

通院による治療を続けてから一定期間経過した後、加害者側の保険会社から治療の終了や治療費の支払い打ち切りを打診されることがあります。加害者側の保険会社は、被害者に支払う慰謝料の金額をできるだけ少なくするために、そのようなことを行ないます。もし、加害者側の保険会社から上記のような打診があっとしても、それに応じる必要はありません。主治医の医学的な判断に基づいて、必要な限り、治療のための通院を続けましょう。その行動が、適切な金額の慰謝料請求につながります。

 

不安があれば専門家に相談をしよう

今回は交通事故に遭って骨折してから慰謝料をもらうための流れについて解説しました。

交通事故で骨折したときに請求できる慰謝料の具体的内容、計算方法の中には、わかりにくい点があるかもしれません。ですが、弁護士などの専門家に相談することで、そのわかりにくい点を明確にすることが可能です。

交通事故による骨折の被害に見合った慰謝料をしっかり加害者に請求しましょう。