交通事故の違反行為とあおり運転について解説

交通事故の違反行為とあおり運転について解説

2020年12月25日 オフ 投稿者: 田中

交通事故を起こすと何か罰則があると言うことはみなさん誰もが知っているでしょうが、どんな罰則があるのかと言う点や、免許とそれ以外の罰則の関係ってどうなってるんだろうと疑問に思っている方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、今日は簡単に交通事故を起こした場合にある罰則についてわかりやすく解説します。特に昨今話題になっていたあおり運転について中心に解説していきます。

行政上の罰則と刑罰

この話をする上で避けられないのが、交通事故を起こすことによって発生する罰則には2種類があるという点です。
仮に人を交通事故で死亡させてしまったようなケースを例に考えてみましょう。この場合には人を事故で死亡させてしまった事に対して、運転免許を持たせておく人としてどうなのかという問題と、人を死亡させるような運転をしたことに対する問題と2つの問題が発生します。
前者の問題に対して運転免許の取り消しや停止と言った形で対応するのが行政上の罰則です。
これに対して、人を死亡させた運転をしたようなことに対して、懲役や罰金などで対応するのが刑事上の罰則、つまり刑罰です。
両者は似ているように感じるかもしれませんが、全く違ったものになりますので、まずはこの点を区別しましょう。

これまでの刑罰について

まずは、交通事故に関わる刑罰から紹介していきます。

過失運転致死傷

前方不注意などで交通事故を起こして、死亡させてしまった場合に成立します。 罰則は、7年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑です。
人を死亡させてしまったのに軽すぎるのでは無いかと言われる方もいらっしゃるかしれませんが、こうした不注意で人を死亡させてしまう事故というのは、誰でも起こしうるもののためあまり重くする事もできないという点も背景にあります。

危険運転致死傷

特に悪質で危険な運転を行った結果、死亡事故を起こした場合に成立します。罰則は、被害者が負傷した場合には15年以下の懲役刑、被害者が死亡した場合には1年以上の有期懲役刑となります。
危険な運転による死傷事故が増えてきたため特に重く処罰することを目的に制定されたものになります。

あおり運転の厳罰化について

昨今あおり運転などの危険な運転行為によって事故が発生する場合などが社会問題化してきました。そこで、2020年の6月に道路交通法が改正され、他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反行為を行うことが交通指導の対象となるようになり、取り締まりの対象になることになりました。違反した場合には、
   ・3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
   ・違反点数25点
   ・運転免許の取消し(欠格期間2年、前歴や累積点数がある場合には最大5年)
具体的な取り締まりの対象になる行為は以下の⑩累計です。
① 通行区分違反
 ② 急ブレーキ禁止違反
 ③ 車間距離不保持
 ④ 進路変更禁止違反
 ⑤ 追越し違反
 ⑥ 減光等義務違反
 ⑦ 警音器使用制限違反
 ⑧ 安全運転義務違反
 ⑨ 最低速度違反(高速自動車国道)
 ⑩ 高速自動車国道等駐停車違反
注意したいのは、⑥、⑨、⑩の違反を除く7類型の違反については、自転車による行為でも該当します。
一発で運転免許の取り消しがあるという点が非常に特徴的であり、重い罰則となっています。十分に注意しましょう。

あおり運転などを受けたら

まずはあわてず警察に通報しましょう。その際にはドライブレコーダーなどの有力な証拠があれば非常に心強い存在となります。あおり運転に対して腹を立てたり、むきになって対応しようとすると大きな事故に繋がるケースや、場合によってはドライバー同士のトラブルに発展しかねません。あわてず自動車を安全な位置に停車させ通報しましょう。